第38章 その手をいつまでもーR18ー(幸村)
「行くぞっ!」
俺はグイッと華月の手を引いた。
「やだぁー!」
動こうとしない華月。
「華月っ‼︎」
睨み合う。
華月からは恐怖に怯えてが伝わってくる。
「…ッ…華月…俺と来い」
チュッと素早く触れるだけのキスをした。
(幸…)
「早くっ!」
もう一度強く腕を引いた。
大きな赤褐色の痣のある手が、俺の方へ動いた。
「走れ‼︎」
俺は華月の手を引いて外へと走った。
外へ出たその一息後。
ドォォンドォォン!と続けて再び爆発が起こった。
さっきよりも大きい。
咄嗟に華月を庇った。
その背中に飛び散ったガラスや、
壁のコンクリートが当たる。
「ゔっっ、っあっ」
「⁉︎幸っ!」
俺の腕の中で華月が心配そうな声を上げた。
「大丈夫…だっ、て…」
何とか応える。
「幸っ?
幸っ、どうしたの?
幸ぃ‼︎」