第38章 その手をいつまでもーR18ー(幸村)
「何の音だろ」
「さあ、なんだろ…ぅ…」
ドォォン‼︎バァァン‼︎
続け様に爆発音がした。
え⁉︎と思っている時間もなかった。
爆音と熱風がと塵煙が襲って来た。
次の瞬間には天井のコンクリートが降ってくる。
「華月!」
声と共に幸くんが私を庇うように背中から抱く。
パチパチ…と音がする。
「火…火がっ‼︎」
私は一気にパニックになる。
そうだ、私は火が怖い。
小さい頃から、何があったわけでもなく、
怖かった。
炎恐怖症だ。
「やだっ、ヤダっやだっ!怖い怖いッ!
いゃぁぁーー‼︎」
動けなくなってうずくまろうとする私。
「華月!大丈夫だ!俺がついてるっ。
絶対、俺がお前を守るから!」
俺は華月を奮い立たせるよう、鼓舞した。
今ここで、動けなくなれば本当に死んでしまう可能性がある。
早急に此処を出なければならない。
「華月っ、俺はお前を守るって誓った!俺を信じろ!」
(いつ、いつ、誓った?)
分からない。
いつだったかなんて。
でも、誓ったんだ。
俺は2度とお前を失わないと…。