第38章 その手をいつまでもーR18ー(幸村)
「‼︎」
「⁉︎地震?」
酷く大きな揺れ。
「やっ、怖っ」
「華月、机の下に」
鞄を抱えて2人で大きな丸テーブルの下に潜った。
私達の他にも同じ様にしている学生が多く居る。
「揺れが収まったら急いで出ようぜ」
「うん…」
そう言っても大きな揺れはなかなか止まず、
食器やコップか落ちて割れ、
棚が倒れる音か厨房から聞こえる。
「キャッ」
小さく悲鳴を上げた私の肩に、幸くんが
抱くように手を置いた。
「大丈夫だ、華月。俺も一緒にいるだろ」
「幸…」
涙の滲む目で幸くんを見た。
心強い。
ようやく
「揺れ、収まってきたな。
今のうちに出よう」
そう言う幸くんの声でホール側の出入り口ではなく、庭へと続く出口に向かう。
「うん!」
他の生徒もそちらへ向かって移動している。
と
パンと何処からか風船が割れるような音がした。