第37章 幼い恋の先(三成)
「華月様、全部 入りました…
…大丈夫ですか?」
弾け飛びそうな理性を総動員して、
余裕の気遣いと笑みを三成はみせた。
すると、華月は、キツく瞑っていた眼を開け、微笑んだ。
「…少し…ヒリヒリしますが、大丈夫、です…」
ぅフフフ…フフ…
笑う華月の眼に涙が浮かぶ。
「‼︎ な、何で、泣いているんですかっ」
「え?…あ……嬉しくて…
私の初めてを…三成様と……そう思うと、嬉しくて、幸せで……」
その言葉に胸が熱くなって、締め付けられた。
「三成様…私、今、幸せです。だから、三成様にも…」
(悲しみを押し殺して幸せと言えるのですか…)
三成は華月の言葉にもどかしい気持ちになった。
2人しかいない屋敷。
2人だけの部屋に
2人だけの吐息と声が絡まる。