第37章 幼い恋の先(三成)
いつも、穏やかで朗らかに笑みを浮かべていた華月。
優しくて気遣いが出来、
大人になっても可愛らしい人だと思っていた。
(童女のような純粋な貴女が……)
「貴女が好きでした。
出会った時から
ずっとずっと……
一緒にいたいと思う程、好きですっ!
貴女以外、いないと思うくらいに…」
三成は衝動のままに、もう1度華月を抱きしめた。
(なのにっ…それなのにっっ)
別れなければならない、
恥を忍んで、『抱いて欲しい』と言わなければならない。
とてつもなく、恨めしかった。
憎かった。
不甲斐なかった。
三成は、家が、戦が、この世が、自分が、
全てが、許せないと思ったのは初めてだった。