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≪イケメン戦国≫ 君と詠う愛の歌 SS

第37章 幼い恋の先(三成)




「………三成さま……」
小さな静かな声が1度躊躇したように、消えて
「お願いがあります」
と意を決したように紡がれた。
「何でしよう。
私に叶えて差し上げられる事ならば、良いのですが」
優柔な瞳が細められる。

(三成様にしか叶えられない)

優しく労るように自分を見る菫紫の瞳を、
華月は強く見つめて言った。

「私を三成様にっ。
私を、抱いて下さいっっ」

思い詰めた瞳、切羽詰まった声音から決死の覚悟が感じられた。
「華月様⁉︎」
三成は驚いてバッと、華月の軀を離した。
「貴女はご自分が何を言っているのか解っていら「解ってます!」…」
「解ってます…はしたなくても、
軽蔑されても…どうしてもっ……」
「華月様」
「最後です。
こんな我儘を言うのも。
三成様に会うのも。
私の気持ちを伝えるのも。
全部全部っ、最後なのです!
コレで、三成様への想いは蓋をしますからっ!
笑ってさようならを言うから……
…お願い…します…」
泣き出しそうな眼を細め、唇を食いしばり、
懇願した華月。


三成は腕の中で懇願する華月を悲哀の瞳で見つめた。









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