第36章 死に損ないの嫁ぎ先ー後ー(元就)
唇を啄み甘噛みし、また唇を塞いだ。
乙女をあしらうような口付けは、
すぐに、大人の口付けに変わる。
唇を割り、突として舌を口内に滑り込ませる。
「は…ぁ…ん…チュク…チュ…」
華月が、どうしていいか分からずいると、舌先まで強く吸い上げられた。
「ぷはぁ…」
と華月は息を求めた。
頭がクラクラする程の初めての深い口付け。
潤んだ瞳は熱を帯びて、頬は桃色に染まり、
華月は女の顔になっていた。
潤んで欲望を覗かせる華月の表情を元就は見下ろす。
「…俺は…いつの間にかお前を、
手放し難く思っていたんだ…だから…
…卑怯な手でお前を抱いた…」
懺悔か謝罪か。