第36章 死に損ないの嫁ぎ先ー後ー(元就)
「ひどい…元就、様…ひどいよ。
ひどいよぉぉ…」
「おっまえっ、鼻水も出てんぞっ」
「…だってぇぇ〜〜…元就様がっ、悪いんだもーん……」
「あ"〜はいはい、俺が悪い、俺が悪かったから…
…もう、泣き止んでくれよ、チュッッ」
そう言って元就は口付けた。
華月の唇は少し涙に濡れていた。
「お前はこれからも、此処に居ろ」
華月の頬を両手で挟んで見つめる。
「他の誰かに男を習うな」
瞳が鋭く閃いた。
「俺が、もっと、教えてやるから…」
近すぎて顔が見えなくなった。
ンッ…ん…チュッ…
唇に口付け、
頬にも、首筋にも、唇を寄せる。
軀は何度も味わったけれど、
こんなにも口付けをした事はなかった。
軀を重ねるだけでは、どこか虚しかった。
(接吻がこんなにも…心を満たすとは…)
「甘美だな…チュッ…ンッ…」
(もっとーー…お前を…)
満たされながらも、掻き乱される。