第36章 死に損ないの嫁ぎ先ー後ー(元就)
(ただ、女だったから…とか答えられたら)
そう考えて華月は本当に怖くなった。
だから華月は先に口を開いた。
「元就様だからっっ」
声を上げた。
「元就様だからっ、元就様じゃなかったらっ、…抱かれたりなんて、しない!」
必死の訴え。
けれど元就は痛みに耐えるような表情で、
静かに言った。
「俺が、……お前の命の恩人だからだろ」
「え?…」
華月は驚いた。
まさか、予想外の言葉だった。
(そうではないのに、元就様、誤解だよ)
「…な…」
届かなかった華月の決死の告白。
「恩があるから断らなかったんだろうが」
(どうして、そんなに私を拒絶するのっ)
何故、伝わらないのか。