• テキストサイズ

≪イケメン戦国≫ 君と詠う愛の歌 SS

第35章 死に損ないの嫁ぎ先ー前ー(元就)




「俺はこれから、お前の親父の命を貰いに行く」
元就は静かにそう告げた。
華月の顔が青ざめた。
「………」

(松寿丸って言った……この人が、毛利…元就…?)

華月は『敵は毛利!』父の言葉を思い出した。


黙って行っても良かったが、後で知って恨まれたり憎まれたりするのも面倒だと元就は思った。
だから、告げた。

目の前の元就は真っ直ぐに華月を見ている。

(逃げも隠れもしない…)

悪いとも、申し訳ないとも思っていない様に華月には思えた。
ただ、ただ、強い眼が。

これはこの世の宿命なのだ。

(だから、私ももう…)

華月はゆっくりと腰を折ると、
畳に額が付くほど、深く平伏した。
その様子に元就は眼を丸くした。
「お前…」

(腹を括ろう…)




/ 803ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp