第33章 言葉にして…ーR18ー(光秀)
「あの…光秀さん、コレは……」
華月は ちまき を抱いて、光秀の膝に座らされ後ろから抱かれている状態だった。
「ちまき を抱いたお前が可愛いので、
俺はお前を抱いている、と言うだけだ。
見れば分かるだろう」
屁理屈みたいな、そうでないみたいな。
(光秀さんが言うと全部正論に聞こえる…)
「ああ、お前は…抱かれているから、見えないな。クク」
妖しく艶のある声が耳を震わし、
華月の心をも震わせる。
甘くて痺れを伴う光秀の声音。
魔法みたいに、
呪文みたいに、
華月の心を惹きつけて縛る。
ちまき はいつの間にか、スルッといなくなっていた。