第33章 言葉にして…ーR18ー(光秀)
茜の夕日
暮色の空
闇と光の間
人と邪が交差する刻
だれそかれ……
「綺麗ですね。
夕焼け。
明日は晴れですね」
昔から夕焼けの美しい翌日は晴れだと言われている。
(晴れれば良いな、お前の気分も)
「お前も夕焼け色だな、ココもココも」
光秀の細い指が華月の頬を滑り、唇を滑った。
妖しくて美しい、金色の瞳が細められる。
「…え…と…////」
「行くぞ」
戸惑っている華月の前に、スイッと手が差し出されて、え?と思っている間に、絡め握られた。
夕刻の空間を手を引かれ歩き出す。
その背中に私は惹かれ、焦がれた。
近くて遠いその背中。