第33章 言葉にして…ーR18ー(光秀)
「いつも、私の質問の答えははぐらかされるからな…私だけが解らないのかな…本当の事」
ちまき がピョンと耳を立てて頭をもたげ、
ペロペロッと華月の手を舐める。
「あははっ、擽ったいっ。
ちまき、私の事慰めてくれてるの?うふふふ
ありがとう、元気だすねっ」
「華月、帰ったぞ」
「あっ、おかえりなさい」
華月が振り仰ぐ。
「ちまき、華月と遊んでたのか。良い子だったな」
ちまき は俺の気配を先に感じ取っていた。
尾っぽをふわふわと振っていて、
頭を撫でてやると気持ち良さそうに眼を瞑った。
「悪いが、ちまき、
華月はこれから俺と遊ぶからな」
ちまき を下ろすと華月の手を引いた。
「ど、何処行くんですか?」
「散歩だ」
「もう、夕暮れですよっ」
「行きたくなければ、別にいいぞ?」
「…いえっ、行きます!」