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≪イケメン戦国≫ 君と詠う愛の歌 SS

第32章 春、籠いっぱいの甘味ーR18ー(三成)




少し歩いて沢に出た。
手を洗って振り向くと
大きな岩の上の包が目に入った。
「三成くん、あれ、何?」
「ああ、昼餉?です。
天気も良いので、食べて帰ろうと思って詰めて貰いました」
「政宗に?」
「いえ、ウチの女中さんにです。
…政宗様じゃなくて残念ですか?」
そう言う三成の表情が複雑そうだった。
「ううん、どうして?
別に残念でも、不満でもないよ?
三成くんと、ピク…遠足?だと思うと、
お弁当は誰が作ったかは関係ないよっ」
そう言うと、三成は柔らかな笑みを浮かべた。

穏やかな春の陽射しの下、
好きな人とお弁当を食べる。

幸せな時間。
「幸せだな〜」
つい声に出ていた。
「幸せですか?お弁当が?……それとも、私と居ることが?」
眼前で迫られる。
柔らかな瞳ではなくて、
艷やかな深い菫色の瞳が私を捕らえていた。





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