第32章 春、籠いっぱいの甘味ーR18ー(三成)
「ちゃんと辿り着きました。
良かったです」
三成の嬉しそうな言葉に華月は、
(やっぱり…迷わなくて、本当に良かった)
と思った。
緑の蔓と白い小さな花、そして真っ赤な実。
素敵なコントラストだ。
日差しにキラキラと粒が輝いている。
「わぁ、美味しそ〜っ」
華月の瞳もキラキラと輝く。
「籠いっぱいに摘んで帰りましょう」
「うん!」
「でも…まずはーー…」
「?」
三成がプチッと一粒指先に摘んだ。
「味見、ですね。
はい、華月様」
野苺を唇の前に差し出された。
(え…と…////)
多分、三成の笑顔は苺より甘い。
「さっ」
(ま、眩し過ぎるッッ)