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≪イケメン戦国≫ 君と詠う愛の歌 SS

第31章 春待ちて氷柱落つー後ー(秀吉)




「綺麗だな」
「はい」
「来年も一緒に見れるか?」
「もちろんです。
生きてる限りずっと」
「そうか」
嬉しそうな笑顔。
私を見る眼は優しい。
ずっと、昔から…
慈しむように見ていてくれた。

(あ…)

ずっと、ずっと…その眼で見ていて欲しいと思った。

(なくしたくない大切な人だ)


「ねぇ、にぃ」
「何だ?」
「……私を、お嫁さんにして下さい」
ようやく、言えた。
「…ようやく、聞けたな。
俺の嫁になって何年過ぎた?
…一生…言って、もらえないかと思ったよ」
秀吉様の声が震えている。
強く抱き締められた。
「すまなかった…ありがとうな…」
声が泣いていた。

謝るのは私の方だ。
「にぃ…ありがとう。
辛い思いさせてごめんなさい…
私はもう、大丈夫」


春が来ても辛くない。
冷たい春は終わった。

(もう、藤吉にぃって呼ばない)

妹みたいな私もお仕舞い。


「愛してます、秀吉様」
しっかりとした声で言った。
言えた。

暖かな陽射しがお互いの笑顔を照らしていた。




こんな穏やかな春が来るのを
お前は、
アナタは
どれくらい待っていただろう。

これからはずっと2人で
何度も暖かな春を迎えよう。

愛する人が
いつも笑っていられるように。

「愛してるよ、華月」








ー了ー
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