• テキストサイズ

≪イケメン戦国≫ 君と詠う愛の歌 SS

第31章 春待ちて氷柱落つー後ー(秀吉)




華月が俺を質問責めにする。
「じゃあなんで、突然、嫁に行けって言ったの?
私が邪魔になった?
ここにいたら都合が悪いから?
嫌い?自分を憎く思う女の顔なんて見たくないから?」
「何言ってっ、そんな事ないぞ。
邪魔でも、嫌いでもない。
顔を見たくないなんて思ったことない」
俺は慌てて否定した。
顔を見たくないどころか……毎日見ないと落ち着かないなんて…

(言えないだろ)

「俺は、お前がいるから毎日……」

何だと言うんだ?

(毎日、御殿に帰ってくるんだと?
毎日、楽しいんだと?)

そこまで考えて、胸の奥がギュッと締まるのを感じた。

「藤吉にぃ様?」
華月の声が耳を滑った。
華月の唇が何かを言っている。

「にぃ様、大丈夫?」
桃色の唇が近づいて……
「にぃ様ッ」
揺さぶられて我に返った。
「⁉︎…ぁ、ああ、悪い。
冷えるから帰るか」
気付きかけた何かを振り払うように、
誤魔化す様に華月の手を取って歩き出した。






/ 803ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp