第31章 春待ちて氷柱落つー後ー(秀吉)
政宗に相談した後、
毎日生活しながら考えた。
数年ぶりに再会した華月を放って置けなくて連れて帰り、戦場に行ったと言う兄を探してやった。
死体と対面した華月は憔悴し、
自害をはかった。
それを良しとはしないのは人として当たり前だ。
(…でも、それ以上の何かが…)
俺を慕ってくれていた華月を俺も慕っていたのか。
(それは妹みたいだからと)
妹みたいに、構いたくて、
世話を焼きたくて。
(けれど、思えばいつも考えていた)
御殿の何処にいて、何をしているのか、
何を考え、思い、笑い泣くのか。
「にぃ様」「秀吉様」と呼ばれる声は耳に心地良くて好きだった。
笑いかけられれば、嬉しかった。
この気持ちは………。