第31章 春待ちて氷柱落つー後ー(秀吉)
「はぁ??」
俺の話を聞いた政宗が訳が分からないと言った声を上げて
「お前なぁ…」
こめかみを押さえる。
「それはまた、気の毒な…」
「俺がか?」
「馬鹿だな。お前の妹らしき女がだ」
呆れ気味の政宗。
「何度も自害未遂を起こされ、
殺してくれって刀を差し出された俺の身にもなってくれ…」
俺は泣言を言ったが
「なれねぇな」
一刀両断、拒否された。
俺は死にたがる華月に
『俺は…お前には死んでほしくない。
だから、これからは俺の傍で生きてくれないか』
そう言った。
そう言えば華月は自害などしないと思った。
単純にそう思った。
そして、半年が経って、
ここの暮らしには慣れたと思うが、
本当はどうしたいか聞きたくて、問うた。
『村に帰るか?…それとも…嫁に行くか?』
何気なしに出た言葉だった。