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≪イケメン戦国≫ 君と詠う愛の歌 SS

第30章 春待ちて氷柱落つー前ー(秀吉)




「秀吉様」
「華月、どうした。
起きて来て軀は大丈夫か?」
気遣う秀吉様を無視して言った。
助けてくれたのは秀吉様だと思うけど、無視した。
「秀吉様、私を殺して。
そこにある刀で、斬り殺して」
「何言ってるんだ」
「にぃ様に、私に悪いと思うなら、私を殺してっっ‼︎」
私は秀吉様の後方にかけてある刀に早足で向かった。
「華月!」
ガチャッッ 刀を掴むともう1度言った。
「コレで、私を斬り殺してっ‼︎」
秀吉様が哀痛の眼で私を見る。


「…………出来ない。
華月…お前の気持ちは解るが、命を粗末にするな」
「⁉︎」
その言葉に私はカッとなった。
憤り、怒り、呆れ、が心を支配した。
「ど、どの口が言うのッッ。
戦をするのはお侍達で、犠牲になるのは私達よ!
そんな人が命を粗末にするななんて笑っちゃう‼︎
死にたく無いのに殺されて、
死にたいのに殺せないなんて、
あり得ないッッ
ふざけないでよ…」
私の癇声は萎んで消えた。
「済まない…」
悩責とした秀吉の様子に私は気抜けした。
「もう良いよ…ごめんなさい…」




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