第26章 スモモも桃もモモのうちーR18ー(信長)
「うーーーーん…」
「何をそのように難しく考えておる」
老人に貰った桃を360度回転させている。
「いえ…コレ、桃なんですよね」
「蜜柑(みかん)に見えるのか」
「いえ」
「では、梨に見えるか」
「いーーえっ」
「では、桃で良かろう」
「桃…もも…モモ…スモモ?」
首を傾げ信長を見上げる華月。
「貴様は本当に馬鹿だな。
桃がスモモになるのか……」
さすがの信長も呆れ顔で悩む華月を見る。
「違うんですよっ。
そうじゃなくて!
私の時代では、桃はもっと大きくて、
柔らかくて、もっと薄い桃色で……
これは、桃と言うよりスモモです……」
「…なるほど…証明できればよいのだな」
と言って、信長は黙って馬を進めた。