第4章 卒業します!ー前ー(秀吉)
(…気まずい. ……どうしよう…)
俯いていると、
「華月、俺、何か 気に触ることしたか?」
秀吉さんは真剣に悩んでいる様子で。
「いえ、そんな事は」
「じゃあ、どうして…」
弱ったような、ちょっと怒ったような、
納得のいかない表情で私を見る秀吉さん。
「…秀吉さんに頼りっきりで…その…、
もうちょっとしっかりしないと……
秀吉さんの手を煩わせてばかりで申し訳ないと思って……」
私は、何で、悪い事もしていないのに、
言い訳みたいな、弁解みたいな説明をしているだろうか。
「いつまでも、お兄ちゃんに甘えてちゃ、ダメでしょ?」
戯(おど)けながら苦笑する。