第20章 貴方へ贈り物 (三成)
「ぁはは…まさか。
私ではなく、アナタに、ですよ」
私は好奇心の瞳で華月様に笑いかけると、
ソッと華月様の顎を掬い上げた。
「ん〜」
「華月様、唇、緩めて下さい」
「んーーーーっっ」
顎を捕え、少し上向かせ、小筆を構える私の目の前には、ギュッッと目を閉じ、
キュゥゥッと唇を引き結んでいる華月様。
クスクス…
「それでは、口紅が塗れませんね……
…あぁ、こうしましょうーー…」
チュッ❤️
「ほら…ちゅっ…力を、チュッ…抜いて下さい…ちゅ…っっ…」
唇を啄んで、舌で唇をスルッとなぞれば、
ゆるりと口が開いて、華月様の肩の力が抜けてゆく。
甘く眦(まなじり)を下げて、ウットリと蕩けるような表情を露わにした華月様は、
口紅を引かなくとも、とても艶美で、私の心と軀を掻き乱す。