第20章 貴方へ贈り物 (三成)
チュッ…
「アナタの唇はそのままでも、十分に潤美ですね、華月」
チュッッ…クチュ…
「ん…みつ……くぅん…ぁ…はっぁ……」
唾液に濡れて、瑞々しい桃色の唇が、
吐息を漏らし、私の名をたどたどしく紡ぐ。
「口紅は、後で、塗って見せて下さい」
この秘め事が終わったら、ね。
その清婉な唇には紅は必要ありませんが、
真っ赤に熟れた林檎みたいな紅い唇も、
味わってみたいですね。
「華月、珍しい口紅をのせた唇も、私が、啄んで差し上げますよ…フフ…」
そっと耳元に囁けば、
唇では無く、頬が耳まで赤く染まった。
今度また、その口紅と共に、
アナタのその、玉虫色に変化する吐息と嬌態を見せて下さい。
私だけに。
私の為の、アナタへの贈り物です。
その唇にのせて下さいますよね?
ー了ー