第16章 愛を冷遇する者 R18ー後ー
私の手に挟まれて、逃げられない謙信様が、私を見下ろしている。
『……私を、華月を映して下さい』
そう言った私は、揺れる謙信様の瞳に映っていた。
(やっと、その瞳に…)
映ることが出来るの?
それでもまだ、
目を逸らそうとする謙信様の態度に私は、
「私はどんな貴方も理解しようと、
受け入れようとしました。
偏った愛情表現もっ。
全て受け入れ、許すつもりだった!
でもっっ、私を受け入れてくれなかったのは謙信様の方でしたっ」
憤りの声を再び上げた。
今まで、我慢していたのだ。
いつか、いつか…ゆっくりでも……そう思って。