第16章 愛を冷遇する者 R18ー後ー
引き摺られるのを耐えて、その脱力の軀を床に押し倒し、口付けた。
チュッ…ンチュッ…
「…はっ…は…ぁ…けんし……さま…ぁ…ぅん…チュッッ…」
薄目を開けて、恍惚な表情で俺を虚に見る。
「コチラを見るな…」
目隠しをしていない。
そっと手が伸びて、頬を挟み込まれた。
何処も縛っていない。
「ヤメロ…俺を見るなっ」
顔を背けようとしても、捕らえられている。
ふふふ……
華月が、おかしそうに笑った。
「い、や。
見ますよ…。
私に見られるのが嫌なら、謙信様が私を見て下さい」
柔らかでありながら有無を言わせぬ口調で、華月が訳の分かるようなわからないようなことを言いながら、既にしっかりと俺を見ていた。
そして、
「愛してます、謙信様。
お願い、華月を見てっ。
その瞳に私を、華月を映して下さい」
と、涙の滲んだ瞳を揺らす。