第3章 桜散る(家康)
真っ直ぐに柔らかな眼差しを向けられる。
「だから、家康は強いよ」
「…華月…ありがとう」
そっと桜の花びらの様な唇に口付けた。
「…ん…」
グゥゥゥ〜〜。
‼︎⁉︎
「ごっ、ごめんっ、頑張って登って来て、
家康の顔が優しくなって、安心したらっ!」
お腹の音。
「アンタらしいね。ククク…
政宗さんのお弁当食べてからにしよう」
「えっ!なんで、政宗が作ってくれたって知ってるの?
私、言ってないよね?
もしかして、見てたの?」
口付けの続きは、
後で、
鴇色の雲海を見ながら…
アンタと一緒なら、
「ねぇ、家康ってばぁ、何で知ってるのぉ」
俺はもっと強くなるよ。
桜を見ても、昔の辛い記憶なんて
笑い飛ばせるくらいに。
君が居るから、大丈夫。
ー了ー