第16章 愛を冷遇する者 R18ー後ー
「ーー…華月っ」
名を呼んで力を込めた。
軀に温もりが戻っている事を確かめようと、口付けた。
まだ少し冷たい唇だった。
「お前は生きているのだな」
「はい、あれくらいじゃ死にません」
堂に、俺の耳に、
柔温な声が優しく響いた。
華月の軀が温かくなり始める。
もう一度口付けた。
チュッ
「ん…謙信様…」
チュッ……チュッ…
口付けを繰り返すたび、急速に体温があがってゆくのを感じ、
華月の 生 をはっきりと認識した。
それと同時に、己の中の 生 も自覚させられた。