第16章 愛を冷遇する者 R18ー後ー
そして、少し遅れて、
心が酷く傷ついたことに気付いた。
「あ…ぁ…ぁはははは…そっか…」
(知るわけないもんね…)
私の覚悟なんて。
あまりの衝撃に涙も出ない。
「…謙信様の口から……そんな……
…聞くなら…斬り殺された方が、
良かったな………」
心が途方に暮れた。
全て拒否され、もう、なす術がない気がした。
だから………
私は、ゆっくりと腰を屈め、
足元に脱ぎ捨てていた着物を掴むと、
ノロノロと手繰り、ペタッ…ペタッ…と歩き出した。
着物を引き摺って、堂の出口へ向かう。