第13章 空の果ては地上のお前 R18 (信長)
「花火は、派手に上がり、一瞬で儚く散る…
だが…それでも、お前がそんな目でみるなら、悪くない」
羨望と憧れと愛情、そして、敬慕の眼差しで
俺を花火の様だといい、
ワクワク、キラキラとした喜色の瞳で、
子供のように無邪気に花火を見る。
地上に降りて、
こうして、バカがつくほど純粋で
バカがつくほど可愛いと思う女の隣で、
ただ黙って、花火を見るのも
本当に悪くない、と思う。
何故だか、心が落ち着き、安らぐ。
「愛してる」
「え?何て?」
小さな俺の声は花火が上がる音に混じって、
華月の耳には届かなかったようだ。