第11章 イジワル震源地(家康)
夕食を済ませてゆっくりと家を出る。
帰る人とは反対に俺達2人は、
観覧車の見える港を手を繋いで歩いて行く。
肩に掛かっている華月のミントグリーンのストールが緩く風に靡く。
「寒くない?」
「平気〜」
呑気な声。
「本当に?」
「平気だってばぁ〜」
苦笑いで俺を見る。
「ホント、アンタって……気が利かないね」
呆れる。
「え?」
「こう言う時は、寒い、って言うもんだよ」
肩を抱き寄せピッタリとくっつく。
「あ….////」
呆れるけど、こういう無防備なところ、
可愛いと思う。