第10章 君と猫さんとの1日(三成)
「女の子がスカートひらひらさせて木に登るなんて……。
猫は骨折治ったばっかりだし、
落ちて次はアンタが骨折したら、
おおごと でしよ」
呆れ顔のため息混じり。
私達の説明を受けた家康先生は、
口調とは反対に、猫を優しい手つきで撫でながら、穏やかな眼差しで猫を見ていた。
「家康先生は動物好きなんですね!」
華月さんが褒めた、と思うのですが
「は?アンタ何言ってんの。
好きじゃなきゃ獣医やってないし」
呆れ顔を華月さんに向けた。
「あっ、そっ、そうですよね。ごめんなさいっっ」
家康先生は慌てて謝る華月さんを見つつ、
私に猫さんを差し出す。
「呆れた……。でも、アンタ達、お似合いだよ。(天然なトコ)」
と言って背を向け行ってしまった。