第10章 君と猫さんとの1日(三成)
猫さんを小脇に抱えるようにして、
プルプルしながら少しずつ移動を始める。
「華月さん、猫を先に、私に…」
「大丈夫よ」
1番下の枝まで降りた華月さんが笑顔でそう言った、次瞬、
「あっっ!」「ええ⁉︎」
青ざめた。
(落ちるっ)
私はとっさに目を瞑った。
(あれ…?)
恐る恐る目を開けると
「ごっっ、ごめんっ!三成くん!大丈夫?
あっ!猫さんっ」
私は三成くんを潰している。
手の中の猫さんは、いない。
あたふたしながら、周囲を見回す。
「猫はココ。
アンタ達、何やってんの?」
見知らぬ男性が猫さんを抱いて、
倒れ込んでいる私達を見下ろしていた。