第2章 桜の下で仲直り(政宗)
「なるほど、な」
私の話と質問を聞いた光秀さん。
いつも、はぐらかされるから、
ドキドキ、ビクビクしながら、
答えを促した私。
「あの、それで、何でだと思いますか?」
「さぁな。
俺は政宗ではないからな…。
でも、おそらく、
「明日は死ぬかもしれない」からだろう。
お前は死に直面した事がないから、理解に苦しむのかも知れぬな…」
何の事もなさそうに、光秀さんは生と死を口にした。
「俺は飯など腹の中で混ざってしまえばなんでも同じだと思っている。
しかし、もし、明日朝、戦に出て生きて帰れぬやもしれぬなら、最後に美味い飯を喰いたい、喰わせてやりたい、と思うヤツもいるだろう。
最後の楽しみ、幸せ、喰って力を出す、
それが食い物には出来ると政宗は思っているのではないか?」