▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第6章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *伊達政宗ルート*
―――ドクドクドクドクッ
(―――っまた、息が止まりそう…っ)
政宗の低く甘い声音に、ハナの心臓は素直に鼓動を速くする。
深く息を吸い込み、呼吸を落ち着かせようとした矢先―――
「―――っわぁ!?」
不意に、ハナの体が浮き上がった。
ハナの膝下と背中に政宗の腕を感じる。
いわゆる、お姫様抱っこをされているという結論に至った途端、ハナの顔が一気に上気した。
「ま、政宗っ何これ!?」
「こら、暴れんな。落とされたいのか?」
危なげなくハナの体を抱き上げておきながら、政宗の声がハナの耳元で揶揄い声を出す。
ハナは暴れるのをやめ、おずおずと政宗の袷を握りしめた。
「私……重いよ?」
「馬鹿言え、羽でも生えてんのかと思ったくらいだ」
額に政宗の口付けが落とされる。
そうして、優しく囁かれた。
「もっとしっかり、しがみつけ」
「…うん…」
着物の上からそっと手を這わせると、政宗の鎖骨に触れた。
くすぐったそうな政宗の声を聴きながら、ハナはしっかり、政宗の首に腕を回した。
ふわりと、政宗の香りがハナを包む。
そう感じた途端に、胸に愛しさが込み上げてきた。
涙が溢れそうになり、想いの限り政宗の首に縋りついた。
「―――ようやく、お前を捕まえた」
甘く切ない政宗の声と腕に、ハナの全てが包まれた。