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第6章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *伊達政宗ルート*
「……ハナ様、いかがされました?」
「え?…何が、ですか?」
出迎えてくれた顔なじみの女中の梅が、心配気に尋ねてきた。
しかし、自覚のないハナには、唐突な質問にも思えた。
ハナの無自覚の反応に、梅はますます心配そうに小首を傾げる。
「ご気分でもお悪いのではと……いえ、私ごときが差し出がましいことを申しました…」
「い、いえとんでもない!ご心配おかけしてすみません…私は元気ですよ!」
そう言ってふにゃりと笑うハナに、やはり梅は心配そうに微笑むのだった。
いつもは家康の部屋までは、ハナ一人で向かうことが多いのだが、今日は梅が案内を願い出た。
断る理由もなく、ハナは言われるがまま、梅についていく。
家康の自室に着くと、梅は中へ声をかけた。
「家康様、よろしいでしょうか?」
「梅?…部屋には入るなよ。用件なら、そこでどうぞ」
「ハナ様がいらっしゃいました……少々、お加減が優れぬ様子で」
「えぇっ梅さん!?」
部屋の中からガタゴトと慌てた音がしたかと思うと、内側から思い切り襖が開かれた。
翡翠色の瞳を大きく開いて、家康がハナの顔を上から見下ろした。
「…あ、家康……お邪魔してます」
「…ハナ、何その顔…」
「では、私はこれで」
梅はハナににっこり微笑むと、静かに退散していった。