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第5章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *徳川家康ルート*
「ま…って家康っ」
「……そのまま、声を堪えてなよ。ここがどこだか、わかってるでしょ」
「―――っ!」
ハナの瞳が不安げに揺れ、周囲を見渡した。
庭の奥に建てられた東屋は、木々に囲まれ、御殿からその姿を隠している。
しかし、壁面はハナの胸元辺りまでしかなく、その上に誂えた御簾は今は全て引き上げられていた。
家康を見つけた池が、雲の間から零れた日の光を僅かに反射し、きらきら煌めいているのが見えた。
息を飲むハナの頬にそっと口付け、両手で袷をはだけさせた。
絹のように滑らかな白い肩から胸元までが、家康の眼下に晒される。
「い…家康っ!やだ…誰か、来たら―――…っぁん!」
噛みつくように鎖骨に吸い付かれ、ハナの口から、切なげな声が漏れる。
「可愛い声……でも、我慢しなきゃ、誰に聞かれるかわからないでしょ。……それとも、聞かせたい?」
「ぃや…やだっ…家康にしか、聞かれたくないっ」
不意に呟かれるハナの本音が、ひとつひとつ、家康の耳に心地よく響く。
その言葉は飾り気もなく、だからこそ……疑うことすら許してくれない。
「……いい子だね。じゃあ、頑張って…声、我慢しなよ」
家康の片腕がハナの肩を抱き寄せ、再び深い口付けを落とす。
ハナの瞳が、大きく見開かれる。
口付けの中、家康の瞳がそっと、ほくそ笑んだ。