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第5章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *徳川家康ルート*
家康の右手がハナの頬へと差し出される。
その手に、ハナの体がびくりと震え、距離を取った。
「い、家康!ちょっと待ってっ!」
「……なに?往生際、悪いよ」
「ひとつ、確認していいかな…?」
ハナの瞳が不安気に揺れ、家康の顔を縋るように見つめてくる。
「もし…仮に、私に薬の効用が出たとして…」
「うん」
「そしたら家康は……私の気持ち、信じてくれる?」
家康の瞳が一瞬大きく見開かれる。
しかしすぐに、自嘲気味に小さな笑いを漏らした。
「―――…俺のこと、そんなに見透かさないでほしいんだけど」
家康の差し出した手が、膝の上に戻される。
「俺は、きっと信じない」
「……っ!」
言葉に詰まるハナの様子を見つめ、家康の瞳が揺れる。
「あんたはどうなの?」
「私が、なに?」
「あんたが俺の立場なら……信じてくれるの?」
家康の言葉の意味がわからず、首を傾げるハナの目の前で、家康は小瓶の蓋を開いて見せる。
そして徐に、その液体を飲み干した。
「―――…家康っ何してるの!?」
「…うわ、甘ったるい…」
口元を手の甲で拭い、家康が眉間に皺を寄せる。
「家康…どうして―――っ」
「別に?……これは、信長様の命に従っただけだから…俺は、俺の仕事をしてるだけ」
溜息に近い、長い吐息を漏らした後、家康はゆっくりハナに向き直った。
「薬の効用を、俺自身で確かめる。……ハナ、ちゃんと手伝ってよね」