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▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)

第5章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *徳川家康ルート*





「―――…びやく?」



「そう、媚薬。子どもじゃないんだから……わかるでしょ?」

二人は、庭の奥の森にひっそり建てられた東屋に移動していた。
向かい合わせの長椅子に腰を下ろし、家康は小瓶をハナに見せた。

「これがそう―――紅蜜華。媚薬って言ったけど、飲んだ本人にそんな作用が現れるわけではないけどね」
「そんな作用…って」
「そこ、聞くの?」
「ごめん、やっぱりいい…」

赤い顔して俯くハナの顔を、家康は膝に片肘ついて複雑な顔で眺めていた。

「かなり細かく調べたけど、この薬……飲んだヤツに影響あるのは興奮作用だけだろうね。特に、恋情に反応するように調合されてる」
「恋情……」
「毒性はない。けど、やっかいなのは周囲の人間に与える影響で…この薬を飲むと、飲んだ奴の体臭を変化させる作用がある」
「どういう風に?」
「それは―――…うん、言わなきゃダメか」

家康はどこか言いにくそうに、視線を逸らした。
その耳が仄かに赤く染まって見えた。

「…人の、性欲を刺激する甘い香りに変えて、相手を誘うようになる」
「…今、なんて…っ?」
「何回聞きたい?」
「ごめん、やっぱりいい…」

泣きそうなほど赤い顔をしていたが、どこか不安げにハナが尋ねた。

「ねぇ、家康……その話を私にしてくれたってことはだよ…?」
「…うん、するどいね。多分、あんたは紅蜜華をどこかで飲んでる……十中八九、信長様の仕業だろうけど」

ハナの息を飲む声が聞こえた。
言葉では冷静を装えたが、その瞳を見る余裕はなく、家康はそっとハナから目を逸らした。


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