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第4章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *豊臣秀吉ルート*
ハナから書状を恭しく受け取る三成。
大きな違和感を覚えて、ハナは三成に恐る恐る尋ねた。
「三成くん、信長様から書状をもらったことは……」
「もちろんございますが、右筆(ゆうひつ)に書かせるのが常ですので、これはとても有難いことなのですよっ」
「そ、そうなんだ……」
ますます、書状の中身を空恐ろしく思うハナをよそに、三成は嬉々として書状を広げ、素早く目を通した。
―――…が。
きらきらと輝いていたその瞳が、すっと怪訝に細められ。
「……んー」
ついには唸りだしてしまった。
「三成くん、どうしたの?」
「あ、いえ……信長様の意図がわからないといいますか……」
途方に暮れたようにハナを見返してきた。
「私にお手伝いできること、ある?」
「はい!えーと…」
三成は困ったような笑みを浮かべて、ハナに向けてすっと右手を差し出した。
「では、御手をよろしいですか?ハナ様」
「うん?」
促されるままに、ハナは三成の手に自分の手を重ねた。
その手を、温かな三成の手がそっと握り返す。
そのまま、しばし無言の時間。
「…三成くん」
「はい」
「これは、何?」
「私にも、さっぱりなのです」
二人して互いの顔を見つめ合った。
ハナから見た三成の顔は、迷子の子犬のようだった。
きっと三成から見たハナも同じようなものだっただろう。
「信長様からの命は、これだけなので…」