▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第4章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *豊臣秀吉ルート*
結局その後、厨からハナが運んできていた朝餉を二人で平らげて、三成は再び書庫へ戻っていった。
ハナも、残りの書状を届けるべく、三成に別れを告げて城門へ向かう。
次に目指すは、織田軍一の忠臣、豊臣秀吉の御殿―――
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「お、来たな?」
秀吉は、御殿前の高麗門、その鏡柱に寄りかかり、大手道を下ってくるハナに手を振って見せた。
それに気付いたハナが、嬉しそうに手を振り返しながら小走りでやってくるのを秀吉は笑顔で眺めていた。
「秀吉さーん!おはようございまーす!」
「おう、おはよう!急がなくていいから、ゆっくり降りてこい。転ぶなよ?」
「子どもじゃないからーっもう!」
そう叫びながら、ハナは跳ねるように石段を下ってくる。
ようやく秀吉の前に辿り着くと、頬を上気させ、上がった息を整えながらハナはにこにこといつもの笑顔を見せた。
「私が来ること、知ってたの?」
「いいや、なんとなくだ。朝早くから、お遣いご苦労さん」
いつもの調子で、秀吉はハナの髪をくしゃくしゃと撫でる。
「まぁ、茶を淹れてやるからゆっくりしていけ。話は中で聞かせろよ」
そう言ってくるりとハナに背を向け主殿へ歩き出したから、秀吉は知らない。
秀吉の手が撫でた辺りを右手で押さえ、さらに頬を上気させ、苦し気に左の手で胸を押さえる、ハナの姿を―――