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第4章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *豊臣秀吉ルート*
手に入れたばかりの戦術書はなかなかに興味深く、三成は時間を忘れて没頭していた。
しかし、少し前から、書物の一部がふいに白くなったり、戻ったりという不思議な現象が起きていて、三成を悩ませていた。
(んー、少し目が疲れてきましたか…)
一旦目を閉じ、再び戦術書に集中しようと目を落とした。
(……え?)
今の今まで読んでいたはずの書物が消えうせ、見慣れた力強い筆跡が書物の上に踊っていた。
「これは……信長様の筆跡では…?」
「そうだよ、さっすが三成くん!」
「―――…え?」
突然、近くで声が聞こえて、三成は驚いて顔を上げた。
そこには、呆れたような笑顔を浮かべたハナがいた。
「ハナ様!どうしたのですか、このような刻限に?眠れないのでしたら、何か私が絵巻物を読んで差し上げますよ」
「えーと…うん、ありがとう!でもね、三成くん…」
ちょいちょい、とハナが書庫の扉を指差した。
「……あ」
開け放たれた扉の向こうには、すでに朝日が差し込んでいた。
「朝になったのも気付かないくらい集中してたんだね。私がいくら呼んでも気付かないんだもん」
「えぇ!?それは大変失礼なことをしましたっハナ様っ!」
そのまま土下座でもしそうな勢いの三成に、ハナは慌てて一通の書状を突き付けた。
「読んでくれるならこれがいいな!信長様からの書状」
「……なんと、信長様が直々に、私などに書状を書いてくださるとは…っ!」
「へ?」