▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第1章 ▼大人ノ玩具箱△ ー前書キ的小話ー
「えっ嘘…なんで!?これ、明朝体?」
「なにそれ、呪文?」
そこには、現代ではおなじみの明朝体の整った文字が、文を綴っていた。
「私の時代の文字の形だよ!」
「何と書いてある?」
信長の声にハナの背筋がぴっと伸びる。
「あ、えと…読みます!…『大人ノ玩具箱』…?」
「……は?」
秀吉が渋い顔をして声を挙げる。
「なんだいきなり、その怪しい名前は…?」
「だ、だってここに書いてあるからっ!」
三成が不思議そうに二人を見比べる。
「玩具とは童の遊び道具と認識しておりましたが、不勉強でした。大人の玩具とはいかようなものでしょう?」
「……さぁね?そういうのは光秀さんの管轄でしょう?」
それまで我関せずと傍観していた光秀は、家康の名指しにわずかに眉を顰める。
「お前は俺を何だと思っている?」
「ま、何でもいいだろ。面白そうだ」
政宗がハナの手からさっと箱を取り上げて翳してみる。
「妙に整った筆跡だな…えーと?『取扱説明書』?」
「政宗、読めるの!?」
「…お前も、俺を何だと思ってる?」
あからさまに不服気な表情の政宗に、ハナは慌てて訂正する。
「そういう意味じゃなくてっ…あんまりにも字体がこの時代と違うから…語弊ですっごめん!」
「…まぁ、いいか。読むぞ?」
そういうと、政宗が淡々と読み上げ始めた。