▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第25章 ▲月華美人▽ *明智光秀* -拾陸-
ハナの手が、光秀の胸で震えていた。
「…どけ、ハナ…」
乱れる呼吸の中で、光秀が乞う。
ハナは無言で、頭を振った。
「いい子だから…言うことを聞け…」
さらに激しく、ハナが頭を振った。
その躰が、震えている。
「辛いのだろう…無理は―――っ?」
ハナの顔が近づいて、光秀の口唇に重なるだけの口づけを落とした。
その瞳が、微笑んでいた。
口唇を離し、再び静かに、首を振る。
「私の全てを見せろって…言いましたよね」
乱れる呼吸に言葉を取られながら、ハナが光秀の瞳を見つめた。
「貴方の全ても…見せてほしいって…言いました…っ」
「―――ハナ、まてっ」
「んぅ…っ」
その腰をくねらせ、ハナがさらに奥へと光秀を誘った。
「こんな、時くらい…っ我儘な貴方を見せて、ください…っ」
―――シャラン…ッ
鈴がなる。
あれほどまでに耳障りに感じていた音が、澄み切った音色となって心に響いた。
「ハナ―――」
ハナの頭の後ろに手を回して、引き寄せた。
胸にその躰を抱き寄せ、深く口付けた。
「ん…ぅ…」
ハナの甘い声が漏れる。
「本当に、お前には適わんな…」
鈴の音がなるように、ハナが微笑んだ。
釣られて、光秀の瞳が緩む。
「辛かったら…」
「なりません」
光秀の言葉に被せて、ハナが笑う。
「幸せすぎて…辛くなる余裕なんて、ないんです」
「言ってくれるな…」
黄金の瞳が意地悪く笑む。
「覚悟しろ…後悔する間も、やらないからな」