第25章 ▲月華美人▽　＊明智光秀＊　－拾陸－

焦がれた熱が、ハナの中をゆっくり貫く。


奥へと進むその動きを止め、僅かに抜きかけてはまた奥へと進むその動きが、嫌でもその存在をハナに誇示する。
焦らされて、もどかしげにハナが吐息を漏らせば、耳元に光秀の微かな笑い声が降る。

「辛くはないだろう？」
「っ…み、つひ、でさん？」

光秀の言葉に、僅かな違和感を感じてハナが瞳を開く。
黄金の瞳を見つめた刹那、光秀の熱がハナの弱い部分を突き上げた。

「はっ…ぁああっ！」

光秀の両腕にハナの両膝裏をとられ、その指に甘やかされた柔いそこを光秀の熱杭が過たずに穿つ。

「やっぁああっ…はぁっそこっやぁ…っ！」
「嘘をつくな…善い、だろう？」

「ふぁっ…っぁああっ！」

ハナを貫きながら、光秀の手が、抱えたハナの脚をなぞり、唇が這う。
光秀の熱、温もり、唇の感触さえも全てが快楽の渦となり、ハナの瞼の裏を白く点滅させていく。
背筋を電流が駆け上がり、躰が制御を超えて快感に喜び打ち震えだす。

何も考えられなくなりそうなほど、光秀の与える悦に酔わされながら、それでも頭の片隅がチカチカと何かをハナに訴えていた。



（―――何、か…違う…っ）



「―――考え事か？」

「っやぁああっ！！」

揶揄うような光秀の声と共に、ハナの躰が一層激しく揺さぶられ、ハナの口唇から嬌声が迸った。
下腹部を中から突き上げられ、目の前すらも判然とせず縋るように黄金を探した。

快楽の渦に揉まれながらその瞳を見た瞬間―――



「ぁぁあああ―――っ！！！」



ハナの躰が弓なりに舞い、果てた。