▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第23章 ▲月華美人▽ *明智光秀* -拾肆-
光秀の唇が、ハナのそれを優しく啄む。
ハナの柔らかな唇が、それに震えて、僅かに開けば、上唇だけをちゅっと吸い上げ、口内に誘い込んで舌先でそっと擽った。
「……ぁっ…」
思わず小さな声が漏れ、ハナの顔が朱に染まる。
僅かに俯きかけたハナの唇を、しかし光秀が追いかけ再び唇で優しく食んだ。
「悪いな…もう、逃がしてやる気はない」
唇の触れ合う位置で、光秀がそう囁き、その体がハナの上から覆いかぶさった。
光秀の右掌が、ハナの頬を包み込む。
「…喩え、お前が先の世に帰ろうともな」
「光秀さん…」
光秀の手の甲に、ハナがそっと掌を重ねた。
「逃げられるわけ、ないじゃないですか。帰れと言われても、帰りません」
その唇が、微笑んでいた。
「貴方が生き抜く姿を、見たいから…」
「…ならばお前も、しっかり生きて見届けろ」
黄金の瞳が、苦し気に揺れた。
「もう二度と、俺のためになど、命を懸けてくれるなよ」