第17章 ▲月華美人▽　＊明智光秀＊　－捌－

「…俺を当て馬にした報い、しっかり受けろ」



光秀の腕を払い、政宗の静かな声が、廊下に響く。
そのまま、光秀に背を向けて、政宗は天主閣へと向かった。



その背中に、光秀は暗雲を見るも、ただ静かに見送った。










笑い声は、もう聞こえない。










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「信長様、急ぎご報告したき件がございます」

「…政宗か？」

襖越しに、信長の声が入室の許可を出す。



「信長様」



信長に向かい、正面に座し、政宗の眼光が信長に物申す。
その意図を汲み、信長は短く笑うように溜息をつく。

「申せ」

政宗は静かに頭を垂れ、重々しい声で、言った。







「ハナに……謀反扇動の、動きあり」