▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第15章 ▲月華美人▽ *明智光秀* -陸-
ハナの呼吸が、止まった。
――ポタ、ポタ…
ハナの下を弄ぶ光秀の腕に、温かい雫が落ちた。
豊かに流れる髪が、ハナの顔を隠してその表情は伺えない。
しかし、反論の言葉はなく、静かにまた、呼吸を繰り返す音が聞こえた。
「…そう、すれば…」
吐息の合間に、ハナの涙に濡れた声がした。
「貴方の側に、居られますか?」
――鈴が、鳴る。
「お前はなぜ…」
しかし、ハナの問いに、それ以上光秀が応えることなく。
反らされたその白い首筋に、光秀が紅い舌を這わせていく。
拒むことなく、身を震わせてハナの口唇が熱い吐息を繰り返す。
着物の下の、光秀の左手と。
ハナの熱く秘めた場所を弄る、右手とが。
途端のその動きを早めて舞った。
「はっ…あぁあっやぁっ!!」
最早、声を堪える余裕もかなぐり捨てて。
ハナの口から、嬌声が迸る。
顔も躰も朱に染めて、光秀の手の動きに身を躍らせた。
ハナの声が、堪えきれず切なく高鳴り、光秀の指を咥える膣がきつく締まる。
果てる姿が見たいという欲望が、光秀を占めていく。
――だが。
「――っやぁ…な、んで…っ!」
光秀は、指をハナから抜き去っていた。
右手から、甘露がぽたりと滴る。
ハナの躰を、畳にそっと横たえてやる。
顔を伏せこちらの見ぬまま、ハナが泣いている。
(俺を、許すな…)
己の行いに、反吐が出る。
哀れにその身を震わせる女を静かに見下ろして、託す男を迎えるために、障子へ向かった。
開いた障子の向こうで、青い隻眼が、こちらを睨みつけていた。
「政宗…」
――お前が救ってやれ。
「後は、好きにするがいい…」