▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第14章 ▲月華美人▽ *明智光秀* -伍-
「光秀さんの、傍にいます」
「…は?」
まったくもって、予想しないハナの言葉に、光秀が唖然と見つめ返していた。
が、すぐに溜息と共に、冷たくハナを睨みつけた。
「起きてまで寝言か、小娘…何を言っているのかわかっているのか?」
「わかっています。私、決めました…貴方を、止めます」
ハナも負けじと、光秀の瞳を見つめ返した。
「光秀さんが謀反を企てるというのなら、その企みを傍で見張って、めちゃくちゃにしてやります」
「俺の邪魔立てをするといいながら、傍に置けとは矛盾も甚だしいな、話にならん…」
話を終いとでもいうように、光秀が立ち上がり部屋から出て行こうとする。
ハナも慌てて立ち上がり、その前に立ち塞がった。
「待って下さい!私、絶対…諦めません!」
「…臥せって尚更呆けたか?…小娘、俺に何をされたか忘れたのか」
「紅蜜華は消えました!光秀さんの、おかげです。それに…あれは、私が望んだことです」
顔を赤らめながらも、目をそらさずに、ハナが続ける。
「ただ、傍に置いてほしいとは言いません!雑用だってなんだって、光秀さんの役にも立ちますから!」
光秀の耳に――…鈴の音が、チリンと響いた。