▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第13章 ▲月華美人▽ *明智光秀* -肆-
――許せ、ハナ。
「もう、俺を待たなくていい…」
「みつ、ひ…で、さん?」
「帰ることができるのなら、お前は、お前の世に帰れ」
――これが俺の、やり方だ。
「 秀吉の言ったことは 本当だ 」
――甘い、ハナ。
お前を育む、そんな世がこの先に
来るのなら
――そこにお前が、生まれるのなら…
――この命、くれてやるのも、惜しくはない…
だから、許せ。
涙に濡れた瞳を大きく見開いて、絶望に蒼褪めるお前のことを…
――本当に、愛しく思っているから…
その体を、そっと離す。
よろよろと、ハナが自分の足で、離れていく。
涙は、未だ、止まらない。
しかしもう、その涙を拭ってやることはできない。
もう二度と、俺の計画の、邪魔をするな。
『 紅蜜華 』
面妖なこの薬が、信長の手に渡ったのは、この僅か数日後……